カテゴリー別アーカイブ: チエコ

会場からのお言葉

林昭男さん(建築家・滋賀県立大学名誉教授)

私は滋賀県立大学に10年ぐらいいましたので、滋賀から毎年たくさん応募されていることをとてもうれしく思っています。

実は今日はここに来るつもりではありませんでした。最近は世の中の動きが戦争に近づいている実感を強く持っています。今朝までは、東京新聞の兵器の問題を追っている女性記者の談話会に行くつもりでいました。

結果的にはこちらに来て良かったと思っています。なぜなら、初めから終わりまで私の心が癒されたというか、非常に温まったんです。こういう会が世の中に必要だなと痛感しました。なので、ぜひこれをもっともっと広げていって欲しいと思います。貴重な人がたくさん集まっているので、このつながりをもっと強化してください。
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植久哲男さん(「住宅建築」元編集長)

今日で何回目かは忘れましたけれども、少しずつ参加させてもらっています。本当にこの頃、世の中では国の政策ということで、数値ばかりが優先するような家づくりが多くなりました。また、それを説明する勉強会や講演会は大体メーカー主導で行われています。そういう会を見たり聞いたりすると、ぞっとするんですよね。人が住むことを大事にするような家をつくるのは、本当にニッチな世界になりつつあります。

そういうこともあって、住宅を考えることはもう止めようかなと思っていたんです。でも、こういう場に来ると、もう少しやろうという気持ちになります。今日はどうもありがとうございました。
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南雄三さん(住宅技術評論家)

初めてチエコに来させていただきました。ありがとうございました。いい雰囲気ですね。こんなにでたらめで(笑)。なんか、エコってちょっといやらしいところがあるでしょう。だけど、こういう会はいいなと思いました。

なんで僕がここにいるかというと、僕は本当はチエコの影の功労者なんです。僕はYKK-APで5年間塾をやってきて、その一環として塾生が毎年チエコに応募するようにしていました。もう一つ、長野県の建築士会でも南雄三塾というのをやっています。そこでもチエコを課題にして応募するようにしていたんですね。

塾生と一緒に僕もアイディアを考えています。今日は発表できないのがとても残念です。考えてみるとチエコはめちゃくちゃ難しい。まず、趣旨がよくわからない。でも、今日はいろいろ勉強したので、次回は少しアイデアが出るかな、と思います。

チエコをずっと考えていると、まず全部どこかですでに行なわれているような、審査委員は知らないかもしれないけども、世の中ではもうやりつくしているんじゃないかと思います。だけど、それがなんとなくムーブメントになっていない、雰囲気になっていないというのはおかしいですね。

もっと頭を柔らかくしようと塾生にもさんざん言って、自分でもとてつもないことを考えようとしています。今日のアイディアでいうと水風呂。ああいうのは考えないよね、普通。アイディアとして面白いわけでもないし。でも、自分でやってみた力が凄いと思います。あと、針金と古タオルでつくったスリッパ。あれは何の役にも立たないでしょう。けれども、考えてつくったということがすごい。チエコはそういうものでしょう。

そう思ってアイデアを出そうとするのだけど、みんな頭に浮かばないんですよね。そうすると、家に帰って家族に喋るんです。そこから生まれてきたアイディアがいっぱいあるんですね。それが素晴らしい。結果として応募がなくても、考えたことが素晴らしいと思います。チエコは応募数が少ないというけれど、きっと応募数の3倍ぐらいは考えたけれども応募しなかったアイディアがあると思います。チエコは考えるチャンスを与えているところがあるということを発信できたらいいのではないかという気がします。
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平塚通彦さん(平塚幼稚園園長)

実は残念なことをお知らせしなければなりません。この会場をお使いいただけるのは今回限りとなってしまいました。それは国の方針で、補助金をもらって幼稚園として活動するなら、建物を子どもの活動、保育教育以外に使ってはいけないという条文があるのです。5年間、毎回会場に使っていただいて、こんなに楽しくて面白い、そして高名な先生方にいろいろなお話を聞けて、ありがとうございました。これだけの会を一緒に続けていけなくなるのは本当に残念で申し訳ないと思っています。これからもよろしくお願いいたします。
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スポンサーからのお言葉

岡部知子さん(岡部材木店)
第一回から5年間、自社で製材した国産材の板をご提供していただいています。好きな板を選べるのがうれしいと好評です。

エコには木も必要ですので、材木屋ではできない木のアイデアを皆さんに出していただいて、この活動に加えていただければと思います。
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前田純二さん(前田木材株式会社)
大賞であるチエコ賞の副賞として、オリジナルの木の名刺入れをご提供いただいています。毎年、大阪から公開審査会場まで遠路はるばる駆けつけてくださるのもありがたい限りです。

今年もありがとうございました。楽しい時間を過ごさせていただきました。今日のプレゼントは京大生からアイデアを貰いました。クリとナラの木は見分けがつきにくいので、一体になったものを作ってくださいと言うことで、そのアイディアを生かしてつくりました。
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友良平さん(環境創機株式会社)
第一回からのスポンサーであり、ご自身もアイディアを応募してくださっています。チエコを楽しんでいらっしゃる様子が伝わってきます。

スポンサーでありながら毎年応募しています。私にとってのチエコは、自分がやっている何がエコに当たるのか、毎年振り返る機会です。応募アイディアは多分、他の人より大した事は無いけれども、何とかひねり出します。そういう心がけを、年に1回やろうちいう気持ちでチャレンジしています。

皆さんのアイデアも大変に参考にさせていただいてます。
今日はどうもありがとうございます。

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八巻秀房さん(山の木一級建築士事務所)
今年からスポンサーになってくださった上に、なんとオリジナルのアイディアの応募もしていただきました。初めてのチエコはいかがでしたでしょうか?

今年初めて参加させていただきまして、本当に学生の皆さんから社会人の方までいろんなアイデアがあって、頭が活性化されたというか、とても刺激を受けました。建築ばかりやっていると建築の目でしか見られなくなる自分の脳の愚かさをいつも感じています。なので、皆さんがいろんなアイデアを考えたり実践されたりしているのを見ていると本当に刺激になります。
今日はどうもありがとうございました。

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審査委員からのお言葉③宿谷昌則さん

宿谷昌則さん(東京都市大学教授・審査委員長)

今年で5回目の審査が終わりました。毎年、応募アイディアに傾向があって、去年は傘が多くて、今年はペットボトル。人それぞれで面白いなと思います。

もう一つ、応募された作品を毎年見ていて思うことなんですけれども、新聞やテレビやインターネット等に氾濫している言葉に溺れてしまっている感じが僕も含めてあります。エコや省エネにまつわる言葉を、あまり深く考えないで使っていることを審査の段階で実感します。

公開審査会は午後2時位から6時ぐらいまでやりますけれども、もしかしたら白けてしまって、時間的に持たないんじゃないかという不安も多少ありました。だけど、今日は議論が白熱しましたよね。いろいろなアイデアが出てきて、こうもある、ああもあると、言葉の使い方についても改めて発見があったように思います。僕はそう思いましたけれど、ここにいらっしゃる皆さんも同じだったのではないでしょうか。

そういう頭の中を柔らかくするということがすごく大事で、やはり手垢のついた言葉にさらされすぎて、そこで思考がストップしているということをこういう場で考えることが必要だと思っています。今日は受賞された方もそうでなかった方も、この空間の中で皆さんで共有できたことが1番の財産だと思います。これを1つのきっかけにして、また新しい活動に向かうとか、皆さんの家族やお友達に伝わっていくようにしていただけたらとても良いと思います。

この5年間の社会全体の動きを見ると、非常に危ういことがたくさん起きています。それになんとなく慣らされて、流されていくことがたくさんあると思うんです。「いや、それは違うよ」といえるように、僕ら一人一人が自覚していることがとても大切です。本当におかしな方向に行かないためにも、こういう活動の意味があると思っています。

今日は皆さんとこういう時間を共有できて、大変ありがたいと思っています。どうもありがとうございました
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チエコ2018審査委員からのお言葉①菅徹夫さん

菅徹夫さん(株式会社菅組代表取締役・ゲスト審査委員)

私は建築屋なので、建築以外のアイディアに関心がありました。
一次審査で私が推したアイディアのうち、公開審査に臨んだのは3つだけ。
チエコ賞も予想とは違うものでした。

それは逆にいうと、それだけ多様性のあるコンテストなのだと思います。
和気あいあいとあったかい雰囲気でエコを語る良い機会をいただきました。

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チエコ2018公開審査会

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2019年2月16日(土)平塚幼稚園にて5回目の公開審査を無事、終えることができました。
応募者、協賛・協力者、参加者の皆さま、ありがとうございました。

公開審査は、和気あいあいとした雰囲気の中、一つ一つの応募アイディアごとに、多くの質問や、意見が飛び交い、応募アイディア以外にも様々な意見が出て、とても有意義で楽しい時間となりました。

この公開審査会は審査のみならず、年に一回、多くの方々と真面目に「エコ」を考え、語り合える日になっています。今後もさらに「チエコ」を充実させていきますので、皆さまよろしくお願いします!

各賞は以下のようになりました。

 

チエコ賞 「おひさまシャワー」     永添一彦様

タエコ賞 「滋賀のエコを広めるSHOP」 太田明里

ミエコ賞 「KINOWA Ogawa Style」     福田義房+おがわ町自然エネルギーファーム

スエコ賞 「真夏の省エネ大作戦」        山崎郁歩

 

会場審査特別賞  「滋賀のエコを広めるSHOP」 太田明里
その他の応募作品

・ペットボトル削減を図る新しい飲料用自動販売機     高柳 真奈

・タオルを再利用したスリッパ              荒瀬 まどか

・築120年超の長屋をDIYで断熱改修           平山 雅士

・北窓を、外からすっぽり覆って、冷気侵入と結露対策   こうやま ゆみこ

・冬暖・木の内窓キット                 八巻 房秀

・「水風呂」の研究                    友  良平

 


チエコ エコアイディアコンテスト2018 間もなく募集開始です!

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みなさまお待たせいたしました!
今年のエコアイディアコンテスト「チエコ」は、イメージを一新いたしました!

毎年、応募してくださっている滋賀県立大学南研究室がデザインを担当してくださり、インパクトもあって、優しいポスターとなりました。

「おやっ!なんか面白そう。参加してみようかな」って、多くの人が感じてくれると嬉しいです。
私たちが困惑する程沢山アイディアが集まることを期待してます。

コンテストのスタイルは今年も変わりません。2月の公開審査会で多くのみなさまとお会いできるのも楽しみにしております。

詳細はチエコのページをご覧ください。
http://tsunagirls.net/?page_id=17


チエコ2017報告2

チエコ公開審査会では、審査委員の皆様からの講評を楽しみにしている方も多いと思います。今年は新しく審査委員に就任された方からも貴重なお話をしていただきました。皆さまも、来年はぜひ会場でお聞きくださいね。

 

谷田 泰さん(谷田ハウジングウエア代表取締役・ゲスト審査委員)193-_I3A1423

初めて審査委員をさせていただきました。年末に膨大な資料が届いて、これに点数を付けるのか、コメントを全部入れるのか、大変な作業だと思いました。そうした作業を終えて、今日皆さんのプレゼンを聞いていると、「よく考えているなあ」とか、「私が感じていることとは違う視点でやっているな」とか、「実際にやっている人は強いな」とか、いろいろなことを感じました。

質疑応答の中で、宿谷先生や藤村先生が皆さんに質問されたことを聞いて、チエコの応募アイディアは、やっていることは小さいかもしれないけれど、実はすごく社会的に大きなことをやっているんだと気づきました。世の中を1ミリでも動かすことで、大きく変わっていくようなきっかけになる活動になっているのではないかと思います。

ぜひこれからもいろいろな方にこういった取り組みを知らせていただいて、来年はもっと多くの方にご参加いただいて盛り上がる会になるといいですね。
藤井智佳子さん(ソーラー女子・染織作家)

194-_I3A1425第1回のチエコに応募して大賞をいただきました。まさか、私が審査委員をさせていただくような機会があるとは思いもしなかったので、たいへん光栄です。

今回、審査をさせていただいて一番戸惑ったのが〝ゴミ”というところです。私にとってペットボトルはリサイクルの資源で、きれいに洗ってリサイクルのかごに入れる物。ビニール傘の使い捨てはしないので、ビニール傘ってこんなに捨てられるのかとか、コーヒーかすもうちは布フィルターでコーヒーを淹れて、かすはコンポストに入れるので資源なんですね。それがゴミとか不用品扱いになっていることにすごく戸惑いました。やはり、ライフスタイルが違うと価値観も違うと実感しました。

今日はビニール傘やコーヒーかすなど重なるアイディアが多かったけれど、そこがエコに気づく最初のきっかけだと思います。私も台所の三角コーナーのゴミがどこに行くんだろうと思ったことから石鹸のこと、ひいては環境やエネルギーのことを考えるようになりました。そういう自分の初心に戻る気づきも今日はいただきました。

暮らしの中のエコの知恵を毎年コンテストに3、4点応募してきて、それがたまって本になりました。私の場合は専門家ではないので、暮らしの中で仕事のものづくりの延長としていろいろなものをつくって楽しむという感じでやってきたんですけど、自分のつくっている物がどこから来てどこへ行くのか、エネルギーはどこから来ているのか。それから資源の奪い合いで戦争になったりとか環境破壊になったりとか。節電から始めたことが、震災以降いろいろ考えていくようになりました。

今思うのは、エコロジーとエコノミーって表裏一体じゃないかということ。環境を破壊してしまうと、元に戻すための時間とコストなどのツケが数年先に回ってきます。子供や孫の代ではなくて3年、4年先に、自分に回ってくるんです。ですから、今環境のことを大事にするのはイコール経済を大事にすることじゃないかと思っています。ありがとうございました。

 

 

藤村靖之さん(非電化工房代表)

197-_I3A1431チエコはもう4回目なんですね。すごい! 前回から1年経って、世界はまた環境問題からかなり後退してしまいましたね。その中でつなが~るズの皆さんは引き続きちゃんとこういうことをやってくださって本当にありがたいと思っています。

今回で4回お手伝いさせていただいていて、今回はとても雰囲気が良かった。人間味あふれる作品が多かったような気がします。とりわけ加藤さんと高山さんと樋口さんの滋賀県立大学デザイン学科3人娘の作品がとても素晴らしい。とても美しいし、センスもいいし、発想力もいいし、行動に移す力もあるし、哲学を持っている。ぜひそういう力を活かして活躍していただきたいと思います。

エコロジーというのは、もちろん資源の無駄遣いや環境の破壊を止めなければいけないんだけど、もっと大事なことがあるような気がいつもしています。人間性とでも言ったらいいんでしょうか、美しさとか優しさとか、愉しさとか、そういうものがもっともっと大切だと思います。今回の作品はそういう美しさや優しさに満ちていて、とても良かったですね。

 

 

 

宿谷昌則さん(東京都市大学環境学部教授)

204-_I3A1439皆さん、お疲れ様でした。今日はとても楽しい会だったと思います。毎年、年末に資料をいただいて、今回で4回目なんですよね。僕は正直にいろいろなことを言う性格なので、言っちゃうと、4回やっているとですね、ちょっとくたびれているところがあるんです。どう思ったかというと、去年までの3年間に比べると、全体の質が落ちたなと実は思いました。

けれども、今日の皆さんが出されたプレゼンテーションは、すごく面白いなと正直に思いました。それぞれカラーの違うアイディアを全体として合わせて、皆で考えるチャンスを年に1回ぐらいはこういう風に持つことがすごく大事だと思います。皆さん、会社や家庭で、あるいは友人とチエコの話をしなくても、行動や話の片隅にこういう体験を我々がシェアしたことが出てくるでしょう。その積み重ねがすごく大事なんだと今日改めて思いました。
藤村先生もおっしゃっていましたけれど、やっぱり続けることが大事だと思います。

それと、地球温暖化ですとか、エコという言葉はずいぶん昔から使われていますし、少し専門の世界ですとゼロエネルギーハウスとかゼロエネルギービルディング、あるいは太陽光パネルとか、環境の技術に関するキーワードがたくさんあります。僕も長いことずっとそういう世界で活動してきて、いつも思うんですけど、インチキな言葉が実はたくさんあるんです。そういうインチキな言葉の背景にある本当に大事なところをちゃんと見抜く力を僕らみんなで育て合うことがすごく大事で、今日上位で受賞した人たちは、そういったところを見ようとしていると思います。

僕は今、ある本を書いています。部屋の中の環境をどうするかとか、ポンプやファンといった建築設備の要素技術をなんとか面白くしなければいけないという思いで書いている本です。どこからスタートしていいのか僕もよくわからないのですが、あることに気が付きました。

生物の世界に、日本でいう発生生物学、英語ではDevelopmental Biologyという分野があります。そこで一番大事な教材として何を使うかというと鶏の卵なんです。受精卵は20日位でひよこになります。よく黄身がひよこになるんじゃないかと思っている人もいますけど、あれはそういうもんじゃないんですよ。黄身のところに1ミリか1.5ミリ位のシミみたいなものがあります。それが胚といって、要するに受精卵そのものです。それがどういう風にひよこになるか、昔から生物学者はいろんなことを調べました。どうやって調べるかというと受精卵が1日経ったところで、ちょっとかわいそうだけれどもゆで卵にします。それで、2日目でゆで卵にする、3日目でゆで卵にする、4日目でする。そうやって、20日ぐらいまでやれば全部のプロセスをゆで卵にできるわけです。

何を言いたいかというと、胚であったほんのシミみたいなところから血管ができてくるわけです。血管はまず黄身の所に伸びていきます。要するに黄身というのは栄養分です。栄養を取れば老廃物が出ます。その老廃物を捨てる尿膜という膜の構造が殻のとことにあって、そこに捨てています。要するに、ひよこになる生き物の体は、資源とちゃんとつながるようになっています。それから排泄物を捨てる袋とつながっている。殻にへばりついた排泄物を捨てる袋の外には空気がある。卵の殻は孔だらけです。二酸化炭素を外に出して、酸素を含んだ空気を取り込むということをやっている。もしペンキを塗って穴をつぶしてしまったら、死んじゃうわけですよ。そこに資源と生き物と環境の関係があります。

それで僕は思ったんです。資源は絶対に必要である。しかし、それを使えば必ず排泄物が出ます。だから、もったいないというのは大事なことではあるんですけれど、それだけで物事は動かない。要するにちゃんと捨てられるということが実は大事なんです。そのことを僕らは頭に入れておかなければいけない。ですから、捨てられないゴミは絶対に作っちゃいけないというのが答ですね。

捨てられないゴミを、日本は残念ながらこの40年ほどの間にたくさん作ってしまった。言わなくてもわかると思うんですけど、原子核の。だから、原発の再稼働は本当にやってはいけないことなのだけれども、それをわかっていない人が残念ながら世界にはたくさんいます。僕はアジテイトするためにこういう話をしているのではなくて、卵の小さな世界と、チエコのこのプログラムでやっていることと、日本の全体とか世界の全体は同じなんです。それがうまくいかなくなっているので、皆おかしくなっているんですね。

卵は転がしながらひよこになるのは結構大事なことで、転がすことをさぼったら孵らない。親鳥はそれをうまくやっているわけです。そういうことが生命系をちゃんと保つことの基本で、そうしたことを皆でシェアすることのひとつにチエコのような活動があるのだと、改めて皆さんの話を伺いながら思いました。どうもありがとうございました。


チエコ2017 今年も盛り上がりました!

211-_U6A4540お待たせしました!

今年もチエコの公開審査が、2月18日(日)大好評のうちに開催されました。

今年はなんと53点ものアイディアが寄せられ、厳正な一次審査の結果、11のアイディアに公開プレゼンテーションをしていただくことになりました。

異常な寒さに見舞われた今年の冬だけど、会場となった東京目黒区の平塚幼稚園には熱気がこもっていました。001-_U6A4259

すでに4回目となるチエコ。その審査の行方はいかに。

気になる各賞の発表前に、一次審査を通過した11アイディアをお知らせします。

ご紹介は応募順です。

 

1 中古製品を多用した空き家活用
友 良平さん (環境創機株式会社)

友さんは3度目の応募で、すべて入選されています。空き家になっていた両親の家を、お金をかけずに改修。料理を楽しんだり、宴会をする隠れ家として活用している様子を発表してくださいました。022-_U6A4288
 

 

 

 

2 ひんやり扇風機 氷を使ったエコアイディア

樋口 睦 (滋賀県立大学 人間文化学部 生活デザイン学科)

ペットボトルでつくった羽にモーターを取り付けた扇風機。空き缶を利用した氷入れを取り付けることで、いっそう涼しく感じられます。デザインもきれい。
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3 ペットボトル・シューズラック

高山彩香 (滋賀県立大学 人間文化学部 生活デザイン学科)

上部を切り取った2リットル入りのペットボトルに着色。靴を入れて壁に掛けられるシューズラックにしました。ペットボトルとはわからないデザイン。連結して使用することも可能です。

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4 冬の室内でできるイチゴの促成栽培

櫻井英華 (主婦)

冬期に室内の日当たりの良い場所に置いたプランターでイチゴを栽培。無農薬で美味しいイチゴをたくさん収穫できます。お子さんも喜んで一緒に栽培しているそうです。

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5 SOLA CAFE

加藤彩香 (滋賀県立大学 人間文化学部 生活デザイン学科)

ソーラークッカーを使った野外カフェの提案。スローな料理を待つ間、会話を楽しみます。オリジナルの紙製のソーラークッカーや、設置台のデザインが美しい。

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6 傘ステーション

清川真吾 (YKKAP株式会社立川支店)

駅やバス停などに傘をレンタルできるステーションをつくる提案です。ご本人は欠席のため、同じ会社の草川さん(応募番号10)が代理でプレゼンテーションしてくださいました。

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07 フードレスキュー~食品ロス、救おう、愛の手で~

落合修(柏自然農実践倶楽部)

賞味期限、消費期限が迫った食品や家庭菜園で取れ過ぎた野菜を持ち寄り、楽しく調理して食べる倶楽部活動。

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8 おひさま屋台 たいよう軒

永添一彦(永添建築設計)

ソーラーパネルを搭載した屋台。太陽熱で暖めたお湯で、ぬる燗やチョコフォンデュをつくって振る舞います。実際にイベントなどで使用しているそうです。なんと、チエコ2017でも実演してくださいました。

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09 自然の冷蔵庫

大竹健太 (YKKAP株式会社北海道支社 開発営業部)

北海道の冬の寒さを利用し、戸外に置いたバケツで食品を冷やすアイディアです。ご本人は欠席のため、同じ会社の草川さん(応募番号10)が代理でプレゼンテーションしてくださいました。

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10 コンビニで雨具レンタル

草川謙一 (YKKAP株式会社東北支社 仙台住宅建材支店直販営業部)

コンビニで傘を貸し出すしくみの提案。使い捨てビニール傘の消費を抑えるアイディアです。

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11 ウサギの糞と餌の残骸を夫婦の趣味へ有効(?)活用

津村 悠 (YKKAP株式会社中部支社 静岡支店)

ペットのウサギの糞と食べ残した餌を、園芸の肥料と、BBQの着火剤に活用するアイディアです。ご本人は欠席のため、同じ会社の草川さん(応募番号10)が代理でプレゼンテーションしてくださいました。

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さあ、いよいよ各賞の発表です。
ジャジャジャーン!

ミエコ(未来のエコ、皆でできるエコ)賞:「ぺットボトル・シューズラック」 高山彩香さん

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リエコ(力作のエコ)賞:「おひさま屋台 たいよう軒」 永添一彦さん

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タエコ(楽しいエコ)賞:「冬の室内でできるイチゴの促成栽培」 櫻井英華さん

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そして、今年は新しく審査委員となってくださった藤井智佳子さんからも素敵な賞を提供していただきました。その名も「チカコ賞」。
授賞されたのは次の3名の方です。
「ひんやり扇風機 氷を使ったエコアイディア」 樋口睦さん

「フードレスキュー~食品ロス、救おう、愛の手で~」 落合修さん

「コンビニで雨具レンタル」 草川謙一さん

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さあ、いよいよ大賞のチエコ賞の発表です。タタタタタタ、ジャーン。

チエコ賞:「SOLA CAFE」加藤彩香さん
加藤さんは会場審査特別賞も受賞されました。

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今回の受賞アイディアはもちろん、すべての作品を近日中に「知恵庫」にアップします。お楽しみに。

小さなエコアイディアを多くの方から募るチエコは、皆でシェアできる「知恵庫」とセットになっています。

小さなアイディアの積み重ねは、もしかしたら社会を変える力になるかもしれません。その流れを加速するには、なるべく多くの人が実践し、改良し、また広めていくことが大事なのではないかと思います。

知恵庫にもぜひアクセスして、「これ」と思うアイディアがあったら試してくださいね。

そして、素敵なアイディアを思いついたら、ぜひ投稿してください。お待ちしています。

 

さて、チエコの各賞には副賞があります。

リエコ賞・・・板材5000円分(岡部材木店提供)

ミエコ賞・・・非電化コーヒー焙煎器『煎り上手』(非電化工房提供)

 

タエコ賞・・・雨水集水装置パッコン(株式会社タニタハウジングウェア提供)

 

チエコ賞・・・古材の名刺入れ(前田木材株式会社提供)

チカコ賞・・・『ソーラー女子は電気代0円で生活してます!』フジイチカコ著 (藤井智佳子様ご提供)

 

会場審査特別賞・・・石鹸詰め合わせ(株式会社アイティエヌジャパン提供)

賞品のご提供をはじめ、チエコ2017も多くの方々から御協賛を頂きました。

この場を借りて、御礼申し上げます。

協賛:株式会社大和工務店 株式会社アンディート 福島県郡山地区木材木工工業団地協同組合 前田木材株式会社 有限会社杉岡製材所 株式会社匠家 環境創機株式会社 有限会社タケワキ住宅建設 有限会社浜中材木店 株式会社タニタハウジングウェア 株式会社アイティエヌジャパン   ミドリムシ不動産(株式会社ミヤケン) 株式会社サスティナライフ森の家 アイビーログ工房 株式会社菅組 岡部材木店伊佐ホームズ株式会社 有限会社エコロジーライフ花 株式会社マツナガ 非電化工房 YKK  AP株式会社(順不同)

協力:平塚幼稚園 有限会社AIKO 環境計画 株式会社エフエム高知

ふんわりネット 株式会社NJS 日本住宅新聞社(順不同)


チエコ2017 今年も、アイディア募集中です!

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みんなでシェアするエコアイディアコンテスト「チエコ」も今年で4年目になります。

ますます魅力的で愉快なエコアイディアをお待ちしております。

 

チエコとは

 小さなエコの知恵を多くの人が出し合い、シェアすることで「知恵庫」になることを目指し、簡単にできるエコアイデアを募集します。たとえば太陽熱を利用した調理器具、身近な素材で涼しく過ごせる洋服、地熱を簡単に取り入れる住まいの工夫などなど。衣食住のジャンルは問いません。オリジナリティあふれるアイデアを募集しています。優秀作品には、「チエコ賞」ならびにいくつかの賞を授与します。

スケジュール

応募締め切り:20171115日 () 2400 必着

一次審査(審査委員による書類選考):201712月中
一次審査発表:20181月上旬(メールでお知らせしWEB上でも公開します)

 公開審査:2018218日(日) @平塚幼稚園

一次審査通過作品の応募者による5分間のプレゼンテーション。

その後、審査委員と公開審査に参加する全員が投票を行い、投票の結果を参考に審査委員が入賞作品を決定します。

皆さんも会場での審査にご参加ください!

 

アイデアの送り方

 A3 用紙1枚(ヨコ使い)にまとめてください。

  • A3用紙にまとめたものをPDFデータにし、メールでお送りください。
    (データ化が難しい場合、郵送等もご相談にのります)
  • 応募書類をダウンロードし、必要事項を記載してアイディアと一緒にお送りください。

 

参加資格

企業、団体あるいは個人やグループなど。年齢、性別、職業、国籍は不問。応募アイデアは、応募者本人のオリジナル案で未発表のものに限ります。応募件数に制限はありませんが1アイデアにつき1応募としてください。

 

選考・発表について

ご応募いただいたアイデアは、審査委員の一次審査にて、通過作品を決定します。その後、最終審査で公開プレゼンテーションをしていただき、その場で入賞作品を決定します。審査の結果については応募者本人に直接通知すると同時にWEB上に公開します。

※ご応募いただいたすべてのアイデアは、後日「知恵庫」のページ上に公開します。公開を希望しない場合は、その旨事前にお知らせください。

※一次審査を通過したアイデアがWebページに公開されると、以後、そのアイデアを元にした特許権や実用新案権などの権利化ができなくなる場合があります。投稿しようとするアイデアについて権利化をお考えの場合は、投稿前に出願手続きをされることをお勧めいたします。

※顔写真やプロフィールは、HPやSNSで広報のために使わせていただくことがあります。公開を希望しない場合は、その旨お知らせください。

審査委員長:宿谷昌則(東京都市大学環境学部 教授)

審査委員:藤村靖之(非電化工房 代表)

     藤井智佳子(ソーラー女子・染織作家)

     つなが~るズ(神田雅子・平山友子・濱田ゆかり・林美樹)

ゲスト審査委員 :谷田 泰(株式会社 タニタハウジングウェア 代表取締役社長)

 

応募資料送り先・お問い合わせ


 chieco@tsunagirls.net

216-0003 神奈川県川崎市宮前区有馬5-1-16-204


アーキキャラバン建築設計事務所内 つなが~るズ〈チエコ事務局〉宛

担当:神田雅子

電話番号:044-789-9887

 
協賛:株式会社大和工務店 株式会社アンディート 福島県郡山地区木材木工工業団地協同組合 前田木材株式会社 有限会社杉岡製材所 環境創機株式会社 有限会社タケワキ住宅建設    有限会社浜中材木店 株式会社タニタハウジングウェア 株式会社マツナガ 株式会社匠家   株式会社アイティエヌジャパン   ミドリムシ不動産(株式会社ミヤケン)株式会社サスティナライフ森の家 アイビーログ工房 株式会社菅組 岡部材木店 伊佐ホームズ株式会社 有限会社エコロジーライフ花 (順不同)
協力:平塚幼稚園 有限会社AIKO環境計画 株式会社エフエム高知 ふんわりネット      株式会社NJS日本住宅新聞社                                主催:つなが〜るズ

 

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「チエコ2014」のエコアイディアは「知恵庫」のページでご覧頂けます。

 知恵庫 http://tsunagirls.net/?page_id=149


チエコ2016報告その2 審査委員の方々の講評


 チエコ公開審査会は、審査委員の皆様からいただくコメントも大きな楽しみです。この頃は、エコに対する関心が年々薄れていくように感じています。そうした中で、私たちは次の世代に何を残すのかを改めて考えるきっかけをいただきました。お話は深く、語り口はソフトにユーモラスに。大事なことが、会場にいらした皆様の心に響いたと思います。
皆さまも、来年は会場でお聞きくださいね。

高橋真樹さん(ノンフィクションライター)

170211_繝√お繧ウ_0493 今日、発表してくださった皆さんは、大変すばらしいプレゼンテーションだったと思います。ただ、今年は応募点数が多かった割には、ティッシュペーパーとかトイレットペーパートか、スケールの小さいアイディアが多かったように思います。
それは日本の中でエコがごく狭い範囲に限定されて考えられてきたからなのかもしれません。たとえばレジ袋の削減を考えることも大事ですけれど、エコや環境は、本当はもっと幅広いはずです。今日の発表にあったような自転車とか断熱とか、さらには住まいとか仕事とか、いろいろなものに結びついていくのに、それに気づかなくされてしまっているのかと思いました。

僕自身もエネルギーについて取材をしながら改めて学んでいます。何年か前までは、脱原発の本を出していながら身近なエネルギーのことをわかっていなかったことがたくさんありました。湯たんぽの話にあったように、熱を作りたいのに電気から作っちゃうような機器がいっぱいあるのですが、そういう暖房器具を買ったこともありました。でも調べていくと、いかにムダなことをしていたのかわかりました。

最近、エコ住宅の取材などをしていると、外はマイナスの気温でも室内は暖房を使わずに20℃くらい保っている家はたくさん出てきています。そういうことは体感してみないとなかなかわかりません。また、脱衣場とお風呂場の温度差で倒れる人が増えているように、断熱はエネルギーだけじゃなくて健康の問題や経済の問題にも結びついています。

エネルギーやエコを考えるということは、何もティッシュペーパーをどうするだけではない世界がつながって広がっていることを、これからも伝えていきたいと思っています。また、一つひとつ実践しながら、皆さんとともにエネルギーやエコについて考えていきたいと思います。

 

藤村靖之さん(非電化工房代表)

170211_繝√お繧ウ_0506 この最終審査に残った10点は、みんなそれぞれとても温もりのあるテーマばかりでした。審査委員をやって、とてもうれしかったですね。
僕は去年の審査会の時、最後にこういうお話をさせていただきました。つなが~るズはえらい。チエコを献身的におやりになっているでしょう。
今、世の中は環境を大切にする方向からどちらかというと離れた方にどんどん行ってしまっています。たとえば僕の個人的な話でいえば、取材件数や講演会の依頼が2011年の原発事故の前年、2010年に比べて4分の1から5分の1に減ってきているんです。僕は最初、僕の賞味期限ももう切れたんだなと思っていました。ところが、今を盛りの人に「あなたはどう?」って聞くと、みんな「僕もそうです」というんです。

それで調べてみると、メディアが環境問題を取り上げる件数は激減しているんです。2011年にいったん上がって、2012年も前よりはちょっと高いレベルだったけど、2013年になると2010年までのレベルよりもストンと落ちています。だから原発事故を契機に環境とか安全といった方向に大きく動いてほしかったんだけど、残念ながらいったん右に大きく振れた振り子は右に行きすぎて今度は左に振れてそこで止っている状況を実感しています。ここしばらくはみんなで頑張らないといけないなという時期に僕たちは今いるのでしょう。やがてまたいい状態になると思います。

だから、つなが~るズの皆さんが、こういうチエコということを地道にきちっとやってくださるのはとてもありがたい。去年、「来年もぜひ続けてくださいね」とお話したら、ちゃんと今年も実践してくれたので、とてもありがたいと思っています。

去年はイギリスがEUから離脱してしまいました。なぜ離脱するかというと自分たちの国益にならないからなんですって。今度のアメリカの大統領も環境問題なんかに背を向けています。そんなことよりも、アメリカ人の雇用とか経済が大事だっていうんですね。そして、もしかしたら今年はフランスもオランダもEUからの離脱が云々されています。でも、僕たちは知っていますね。EUというのはEUの前身のEC、その前のECC、1949年くらいから環境と平和はエゴイズムでは守れない。で、エゴイズムの代表は国家エゴイズム。で、国家エゴイズムの代表は国家経済なんだから、経済をひとつにしてエゴイズムから人道主義の方に動かさなければ環境と平和は守れないという高邁な精神でECC、EC、そしてEUをつくってきたでしょう。フランスとオランダが先導してやってくれていたんだけど、僕たちはとてもありがたかった。EUのおかげでどれぐらい環境と平和がある程度守られてきたか。170211_繝√お繧ウ_0515

ところが、そういう高邁な精神を忘れて、自分の国さえよければいいという方向に今、一瞬世界は動いてしまっているような気がしています。やっぱり、去年申し上げたことと全く同じで、引き続きもう少しがんばらないといけないですね。で、来年もぜひチエコを続けていただきたいと思います。

 

宿谷昌則さん(東京都市大学環境学部教授)
170211_繝√お繧ウ_0529 チエコはこれまで3年続いてきました。最初の年は私もけっこう力が入ったのですけれども、2年目になるとちょっと応募数が減ったんですよね。ちょっとこちらの力の入り方も減ったのですが、やっぱり続けることが大事だと僕も思いました。今年の応募数は61件で、これはやはり広がり始めたんだなと、うれしい気持ちになりました。それで見せていただいて、最初の印象に残ったことは、正直申し上げますけど、今日の10点の方は別として、このぐらいのことしか考えられないんだなということでした。
それは、自分は高いところから見てそういう風に思ったと言いたいのではなく、自分ももし応募していたら、ひょっとしたらこのレベルだよな……きっと……と思ったのです。そのことにちょっとイライラしたんですよね。何にイライラしたかというと、皆さんの作品のこともだけど、自分自身にイライラする。それは何なのかなあとずっと考えていました。

世の中には色々な言葉がありますね。たとえば「脱原発」、「エコ」、「リサイクル」とか、僕たちにはそういう言葉が知らず知らずのうちに刷りこまれていますね。教育は、自分の頭で考え行動できるように教え育てることじゃないですか。でも、いま行われている教育のほとんどは全部嘘だと僕は思っています。みんな考えないですむように、言われたことをそのままやれば点数がちゃんと取れるように、それが教育になっちゃっているんですね。

僕は大学というところでずっと仕事をしてきて、環境学部というところで仕事をしているんですけど、日本は今少子化が進んで、日本の大学全体として若い人の取り合いになっています。その時に環境というのは人気ないんですよ。僕は、環境はこれから受験生が増えると20数年前に思っていて、その当時は良かったんですけど、今はどちらかというといわゆる受験戦争に敗れた人が来るんですよ。僕は入学式の後、「あなた方が敗れたのは大変いいことなんだから、自分で考えることをやっていこう」という話を必ずするようにしています。彼らは洗脳されてきていますので、こっちも洗脳し返さないといけない(笑)。だけど、なかなか信じてくれません。ものすごく根が深い問題なので、時間が相当にかかると思います。けれども、自分の頭で考え行動できるようにしていく……、そのためにこのチエコ賞は小さいけれど大きな意味があると思っていて、こういうことを続けていくことでじわじわ広がっていくと、次第に良い方向への流れができていくのだろうと思っています。

今回のご発表を聞いて、たとえば社会のしくみをつくる話、自転車の話がありました。僕は1990年ごろに北京で仕事があって行ったことがあるんです。その時のことを思い出すと、とにかくそこらじゅう自転車ですよね。当時だって中国は冬は石炭で暖房して暑すぎて窓を開けちゃうなんていうことを平気でやっていた。大気汚染も、その当時もよくなかったけれど、今はもっとひどいでしょ。そういうところで、皆が車に乗るようになって、4人乗れる車に一人で乗るのがステイタスという意識が強くなっていますからね。

もう一方で、デンマークはエコでは最先端だということは皆さんよくご存じだと思います。僕はやはり仕事の関係でコペンハーゲンにしばらくいたことがあるのですけど、朝ラッシュの時間帯に自転車がすごいですよ。それで自転車屋さんなんかもレベルが高くて、実用性だけでなく、ファッションとしてきちっとしたものを扱っている。小さな自転車屋さんもたくさんあって、ベルひとつとってもすごくいいデザインをしていて、値段もすごく高い。でも、それだけの価値がある。それが成り立っているんです。ということは、皆の考えていることが日本とはだいぶ違いますよね。ベルにそんなお金払う人は、日本にはなかなかいないですよ。

デンマークと同じならばいいという意味ではないですけれど、そういう風に両極あって、どっちの方向に行ったらいいのかは、トランプ大統領だって安倍首相だって、まともに聞かれればそうだと答えざるを得ないはずなんですけど、古くさい後ろ向きのところで自分たちがしたいことがあるので今みたいなことになっちゃっているのだと僕は思います。今の大きな経済・政治を動かしている人たちが、どうもそれは違うんだな……と気づいてもらうためには、私たち皆の一人ひとりがちゃんと自分の頭で考えて、間違ってもいいからちゃ んと判断して行動することが大切なんだと改めて思うのです。

170211_繝√お繧ウ_0532 それで、一般論だけ言っているのはダメなので、僕もちゃんと自分の頭を使って考えているんですよ……ということを紹介して、私のあいさつを終わりにしたいと思います。

最近、換気の話を考えています。この部屋、今は暖房していますよね。そこで灯油を燃やしているので、けっこう二酸化炭素が出ているわけです。それで換気しないと部屋の空気が汚れますよね。こういう部屋だと隙間風がかなりあります。木造校舎で古い建物ですから。僕の想像ですけど、おそらく1時間に少なくとも1回、あるいは2回ぐらい空気が入れ替わっていると思います。換気扇をつけていなくてもそのぐらい。ところが、断熱気密化をきちんとすると、1時間当たり0.5回、0.3回、0.2回にできるんです。

住宅の設計に関わっている方、これから家を建てようと考えている方はちょっと頭に入れておいてほしいんですけど、最近は断熱性・気密性のことがすごく言われるようになって、“高断熱高気密”ってよく言いますね。高断熱はもちろん大切です。高気密もそれなりに大切なんですけど、それを一緒くたにして考えている……っていうか考えていないことが多いように思うのです。

断熱はかなりのところまでいってもいいと僕は思いますけれど、気密の方を行き過ぎると具合が悪いんだと思うんです。そうすると、宿谷は断熱をあまりしなくていいと言っているみたいに言う人がいるんです。それは断熱と気密が同じことと決めつけているからかもしれない。そこで、こういう説明をことにしています。

私たちは寒い時にはマフラーをする、あるいはちょっと1枚羽織る。だけど、そういう時に脱脂綿を鼻の穴に詰めたり口の中に詰めたりしません。そういうことを気密と言っているならおかしいでしょ。ほっぺたに穴が開いていたら呼吸がしにくいから、そこはちゃんと塞がなければいけない。でも、脱脂綿を鼻に詰めるのはお棺に入るときだけですよ。そういう話をすると、たいていの方は理解されます。家をこれからつくる方は、断熱気密とかそういう専門用語を聞かされた時に、それにだまされないように是非していただきたい。

それからさっき質問で浮力のことでコメントしましたけれど、今の部屋で換気をしようと思って換気扇をセットしますね。100ワットの電力で動くような換気扇だとしましょう。浮力というのはなぜ働くかというと、俗にいう自然エネルギーなんですよ。僕らのからだは発熱していますね。それじゃ、それがどれぐらいのエネルギーの量なのか、ちゃんと電力と比較できるように計算してみたんです。そうしたら、換気扇のモーターに入る電力が1とすると、浮力の自然エネルギーはどれぐらいか。どのぐらいだと思いますか。だいたい500分の1ですよ。チエコですね。だから、身近なところにある自然のポテンシャルを活かせる工夫が重要だという話になるんです。

こんなことも、僕はたくさん間違えたら行きつ戻りつしながら、正答らしきところに辿りついたんです。そうすると、原発で電力をつくって換気するなんていうのは全くナンセンスだということがやっぱり改めてわかってしまう。たぶん、いろいろなところで似たような話があると思います。このような考え方の道筋を皆さんでシェアして、さらにまた一歩でも半歩でも前に進むようにして行ければいいなと、今日いろいろお話をうかがいながら思いました。どうもありがとうございました。